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    三宅島2000年噴火

         作成 : 藤田 浩司 (アジア航測株式会社 関西防災地質部) 


◎ 郵政省通信総合研究所が撮影したPi-SAR画像から、
   8/30現在の火口の状況を判読しました。

   さらに、8/11および8/20現在の火口状況と火口の面積を修正しました。 (9/16 16:00)

 火口は、8/20以降ほとんど拡大していないと思われます。

  
  

火口の面積(km2
7/9 0.60
7/14 0.76
7/17 0.88
7/22 1.02
7/28 1.26
8/3 1.42
8/11 1.64
8/20 1.85
8/30 1.90

 ○作成にあたって

 7/9,22は、国土地理院作成の地形図・朝日航洋撮影の空中写真・アジア航測撮影の空中写真  
 7/14,28は、東京大学地震研究所 および 同研究所 中田先生の写真とデータ  
 7/17は、防災科学技術研究所提供の空中写真
 8/3,11は、群馬大学早川先生の写真およびデータ
 8/20は、JNN(TBS)によって撮影された火口の映像
 8/30は、郵政省 通信総合研究所のPi-SAR画像

 を参考にさせていただきました。


◎ 8/30現在の火口状況(上図)をもとに、火口縁のスカイラインを推定しました。 (9/16 16:00)

  

 ○ 8/30現在の火口縁は、最高点が標高790m(火口北側)、最低点が標高650m(スオウ穴)、
   外周がおよそ2600m程度と推定されます。
   火口の北側以外では、標高700m前後となっており、そのうちスオウ穴とその南側にある火口付近、
   さらに火口西側付近で、周囲より低い部分が見られます。


◎ アジア航測の千葉達朗さんが8/29に三宅高校から撮影した写真から、
   GIFアニメーションを作成しました。(9/11 09:15)

   
   
      (ファイルサイズは、約330KBです)

  ファイルサイズを小さくするために、撮影者に無断でトリミングさせていただいたことを、お詫びします。
  ちばさん、写真を使わせていただきありがとうございます。


◎ 8/10のサージ到達範囲を示した図を掲載します。(9/10 08:15)

 群馬大学の早川先生から依頼をうけて8/16に作成した、8/10噴火時のサージ到達範囲図を掲載します。

   


◎ 東大地震研究所火山センターが三宅島坪田に設置した定点カメラの
   傾きが修正されましたので、噴煙高度の推定画像を修正しました。(8/29 03:00)


  8/13に東大地震研究所火山センターにより、三宅島坪田に設置された定点カメラ(愛称:さだぞうカメラ)は、
  順調にデータを公開しつづけており、火山監視の一翼を担っています。
  この度、”さだぞうカメラ”の向きが修正され、傾きのない映像を捕らえるようになりました。
  そこで、その修正版”さだぞうカメラ”から噴煙高度を推定する画像を作成しました。
  (作成方法は前回と同じです)

   

   この画像だと、噴煙高度はおよそ海面から3200m、火口縁からは2500mまで上昇していると推定できます。  


 ◎ 8/10〜26について、陥没火口内にある
  小火口の推移をまとめました。(8/27 14:00)

   


◎ 8/20に撮影・放送されたJNNの映像で確認できる
   火口底の変化をまとめました。(8/21 02:30)


 ○ 8/20に撮影・放送されたJNNの映像では、いくつかの火口底の変化が確認できます。
    以下にその変化を順をおって説明します(放送は、この順序ではありませんでした)。

No.1 ・火口底はかなり平坦で、灰色の火山灰に覆われた凸凹の目立つ
 堆積物が見られる(陥没火口南東部からの崩壊によるものか?)。
・火口底の小火口は、3ヶ所である。
・小火口の周辺には、黒色の部分が広がっている。
 (小火口から噴出した湿った火山灰orジェット?)
噴気をあげている火口は、平坦な火口底の端にある。
・噴気があがっている小火口の北側(画面の上側)には、小火口から
 流れ出したと思われる水が流れた跡が 黒く残っているが、
 この水流跡は、小火口側が低くなっている(表外のステレオ写真参照)。
No.2 ・火口底のほぼ中央付近に、泥流跡の様な物が写っており、3ヶ所ある
 火口の真ん中にある火口の方に流れている。
 ここは、上のNo.1画像では沢状になっている部分である。
 No.1画像を見るとここも小火口側が低くなっていることから、この泥流状
 のものは手前の小火口から流れ出た物ではなく、火口底の奥(北)側
 あるいはNo.1画像で見られる沢状部分から流出した物と推定できる。

○画像右上で、火口縁が半円形に落ち込んでいる部分がスオウ穴
 
No.3 ・火口底中央部にある泥流状のものは、一番手前の小火口に向かって
 流れ込んでいるように見える。
No.4 ・激しく噴気をあげる小火口のアップであるが、小火口の下側になだらかな
 崖錐斜面が広がっていることからこの小火口はNo.1〜3のように火口底の  
 端ではなく、火口底より上側の斜面に位置していると判断できる。

 ※もし、噴気をあげている小火口の位置に変化がないとすれば
   No.1〜3とNo.4の間に、火口底が陥没したことになる。

  上記のように、一連の撮影中に火口底の陥没が起こったのではないかと思われます。
  これらの事は、すべて短いニュース映像から判断した物なので、間違っている可能性もあります。
  ヘリに同乗されていた大島先生やビデオを撮影されたJNNの方からのお話を伺いたいところです。


 ○ 火口底のステレオ画像 (上のNo.2画像が撮影された時点での火口底です)

   

 このステレオ画像からは、画面左側で水流跡が見られる部分は手前側に傾斜していることが分かります。
 さらに、その右側に広がっている火口底も手前側に傾斜しているように見えます。


◎ 8/20にJNNで放送された映像をもとに
   8/20現在の火口状況を判読しました。(8/20 20:00)

 ○ 8/20現在の火口位置については、火口の東〜南付近については確認できますが、 
   それ以外の部分は、正確につかめていません。

  

火口の面積(km2
7/9 0.60
7/14 0.76
7/17 0.88
7/22 1.02
7/28 1.26
8/3 1.42
8/11 1.62
8/20 1.89

 ○作成にあたって

 7/9,22は、国土地理院作成の地形図・朝日航洋撮影の空中写真・アジア航測撮影の空中写真 
 7/14,28は、東京大学地震研究所 および 同研究所 中田先生の写真とデータ 
 7/17は、防災科学技術研究所提供の空中写真
 8/3,11は、群馬大学早川先生の写真およびデータ
 8/20は、JNN(TBS)によって撮影された火口の映像

 を参考にさせていただきました。


◎ 東京新聞に掲載された御蔵島から撮影した8/18噴火の噴煙について
   その噴煙高度を推定しました。(8/19 21:00)


 8/18夕方からの噴火は、今回の一連の活動中で最も高くまで噴煙が立ち上がりました。
 その噴煙高度を、東京新聞に掲載された御蔵島からの写真をもとに推定しました。
 (この写真を使ったのは、三宅島の全景が写っていることと撮影位置がかなりはっきりしているためです)

   
 この写真から推定した噴煙高度は、およそ15000mです。

 (推定方法)
 前にも登場しましたカシミール3Dによって御蔵島から見た三宅島の地形画像を書き
 その画像と噴煙写真を重ね合わせて、その噴煙の水平面からの角度を測定しました。
 (上の画像の右側に写っているのがその角度です。なお、海水面の角度が約6度になっているのは
  カメラを水平より下側に向けた状況での画像を書かせているためです)

 上の画像から、噴煙の到達高度は、水平面からおよそ35度(41度-6度)と読みとれます。
 三宅島の旧雄山付近と御蔵島北部の距離はおよそ22kmありますから、
 このときの噴煙高度は 22 * tan35°= 15.405すなわち、およそ15000mと推定できます。

 ちなみに、ほぼ垂直に上昇している噴煙が東の方に広がり始めている高度は、8000mです。


◎ 三宅島坪田在住の渡辺さんが撮影した
   8/18噴火の模様を掲載しました。(8/18 19:00)


   大きな画像一覧へ

       

      

      

     


◎ 東大地震研究所火山センターが三宅島坪田に設置した定点カメラから
   噴煙の高さを推定するための画像を作成しました。
(8/16 02:30)

 8/13に東大地震研究所火山センターにより、三宅島坪田に定点カメラ(愛称:さだぞうカメラ)が設置されました。
 この定点カメラによって、リアルタイムで三宅島の様子を知ることが出来るようになりました。

 そこで、この定点カメラで映し出されている三宅島の山頂火口から噴火があった場合に、その噴煙の高さを簡単に推定するための
 画像を作成しました。使い方は見ての通りで、定点カメラに写っている噴煙の高さを、この画像と比較することによって、その高さを
 推定することが出来ます。

 ○欠点
 もうお分かりだとは思うのですが、この画像は噴煙が垂直かそれに近い角度で上昇している場合にしか使えません。
 上空の風が強く噴煙が流されている場合は、噴煙の高さを推定することが出来ません。

 なおこの画像には、さだぞうカメラで8/14の15:41に撮影された画像を使用させていただいていますが
 この時の噴煙は、海面から1100m(火口縁からは400m)に達していると推定されます。

      
 右側の数字のうち、上段が海面からの標高を、下段が火口縁(700mとしています)からの
 標高を示しています。左側は、水平からの角度を示しています。同一高度線の右側が下が
 っているのは、カメラが若干右下がりで設置されていると判断されたためです(下記参照)。


○画像の作成方法

 まず最初に、さだぞうカメラの画角や向きを推定するために、フリーソフトのカシミール3Dと国土地理院の50mメッシュの
 数値地図を使用して、カメラの設置場所から山頂方面を見た場合の地形画像を作成しました。
 この画像と、さだぞうカメラの画像とが重なるように大きさ・角度を調整し、地形画像の右側に示されている水平からの角度を
 さだぞうカメラの画像にトレースしました。(この調整段階で、さだぞうカメラが北に向かって3度傾いているのが判明しました)
 その後、それぞれの角度に対応する高度を計算し、上に掲載した画像を作成しました。
 (なお、さだぞうカメラと火口との距離は3kmとしています)

 (謝辞) この定点カメラを設置・公開していただいた寺田さんをはじめとする東大地震研のみなさまと
 噴火で大変ななか、メンテナンスをされている渡辺さんに、感謝いたします。

◎ 8/11までの火口変遷図を修正しました。(8/13 22:30)

○ 群馬大学の早川先生が、8/11に撮影した新しい写真を公開されましたので、
   それをもとに火口の状況を訂正しました。

 (修正箇所)
 ・火口北側(旧813.7m付近)と火口西側の火口縁を修正しました
 ・火口状況の修正に伴って、8/11現在の火口面積を
  1.63km2から1.62km2に修正しました

    

火口の面積(km2
7/9 0.60
7/14 0.76
7/17 0.88
7/22 1.02
7/28 1.26
8/3 1.42
8/11 1.62 (8/13修正)
 

◎ 8/11までの火口変遷図を作成しました。(8/13 0:30)

    

○ 8/11の火口は、北西部分と南東部分が推定ですが
   8/3と比較すると、南〜南西側が拡大しています。

さらに、今回作成した火口変遷図をもとに、それぞれの火口について面積を測定しました。
(面積は、PC上で各火口の範囲に含まれているピクセル数から計測しています)

火口の面積(km2
7/9 0.60
7/14 0.76
7/17 0.88
7/22 1.02
7/28 1.26
8/3 1.42
8/11 1.63

7/9から8/11までの間、火口は1日平均およそ3万平方メートルずつ拡大している計算になります。

 ○作成にあたって

 7/9,22は、国土地理院作成の地形図・朝日航洋の空中写真・アジア航測の空中写真 
 7/14,28は、東京大学地震研究所 および 同研究所 中田先生の写真とデータ 
 7/17は、防災科学技術研究所提供の空中写真  
 8/3,11は、群馬大学早川先生の写真およびデータ

 を参考にさせていただきました。


◎ 8/2と8/4に撮影された写真をもとに、火口底の比較を行いました。(8/10 22:30)

      

左側は、東大地震研究所の三宅島2000年噴火特集のページに掲載されている8/4に撮影された写真。
右側は、アジア航測が8/2に撮影した空中写真。

○ 8/2〜8/4の間には、大規模な火口壁の後退は無かったようで、2枚の写真で火口壁の対比が出来ます。
 8/4撮影の写真で正面に写っているF字形をした暗灰色の露岩部分が、8/2の写真にも写っています。
 2枚の写真を比較すると、8/2現在の火口底の位置は、赤線付近にあったことがわかります。
 8/4現在の火口底は、約450mと計測されていますので、この付近の陥没量は80〜100mと推定されます。
 さらに、8/2の写真には火口底にマウンド状の高まりが写っていますが、この高まりは簡易計測の結果、
 最深部から50m程度の比高があることが分かりました。

 以上のことから判断すると、8/2〜8/4(写真撮影時)の間に、80〜100m(火口底の陥没量)+50m(マウンドの高さ) 
 すなわち、130〜150mの陥没が起こったと考えられます。

 またこの陥没に伴って、火口壁には新たな表層崩壊が、火口底には円弧状の段差が確認できます。

   

上の写真も、東大地震研究所の三宅島2000年噴火特集のページに掲載されている8/4現在の火口底の写真ですが、
ここでは、火口底の陥没に伴う段差や断層が円弧状に連続し、西側(写真に向かって左側)が沈降しているのが確認できます。
8/2の写真に写っている比高50m前後の高まりは、すでに無くなっています。


◎ 8/3撮影・放映のTBS(JNN)映像 (8/5 02:30録画・キャプチャー)

   

   


◎ 7/9からの火口の変遷図を作りました。(8/20 09:00−暫定版)

   

 ○ 作成にあたって、
 7/9は、国土地理院作成の地形図・朝日航洋の空中写真・アジア航測の空中写真 
 7/14,28は、東京大学地震研究所 中田先生のデータ 
 7/17は、防災科学技術研究所の空中写真  
 7/22は、国土地理院作成の地形図・朝日航洋の空中写真・アジア航測空中写真  
 を使用させていただきました。

(基図には、国土地理院作成の火山基本図「三宅島」を使用)

 ○ 火口の面積は、
 7/9 - 0.61km2 , 7/14 - 0.76km2 , 7/17 -0.88km2 , 7/22 - 1.02 km2 , 7/28 - 1.27km2、
 となり、この期間では、1日平均 0.034km2(34000m2) で火口が拡大しています。


◎ JNN撮影の映像から判読した 7/22現在の新火口(7/23 06:00)

   

 ・火口の直径は約1200m、深さは約500m (以上、JNNヘリに同乗した大島さんのコメント)

○7/17に防災科技研が撮影した火口の状況と比較すると
 ・火口の深さが、さらに深くなっている 
 ・火口は、北および東側に拡大している
 (西および南側については、7/17映像が雲で隠れているため不明)
 ・北側は、八丁平火口の火口壁の外側にまで、火口が拡大している
  また、北側の拡大は、島内最高点である813.7mピークの基部まで進み
  ピーク付近が非常に不安定になっているため、今後、崩落する可能性が高い
 ・新火口形成初期には南側に存在していたテレビ中継所は無くなっている

 等が、判読できます。


◎ 時間差キャプチャーによる火口の映像1(7/22JNN撮影)

   

○ 時間差キャプチャーによる火口の映像2(7/22JNN撮影)

   



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